ポーランド、ロシアとの天然ガス契約を解除

●年末の契約期限を前倒しで取引を打ち切り

●きっかけはロシアによるルーブル建て払いの要求

ポーランドは23日、ロシアとの天然ガス調達契約を解除すると発表した。ウクライナ戦争をめぐる対立のなか、ロシアがポーランドへの供給を停止したため、年末に期限が切れる契約を明確に「解除」することでロシアを改めて非難した形だ。欧州ヤマルパイプラインでロシア産ガスをドイツへ輸送する業務も停止するが、同パイプラインは現在、ドイツからポーランドへの送ガスに使われているため、欧州のガス調達状況に大きな影響はない。

ロシアは3月末、ウクライナ侵攻を機に発動された制裁への報復として、欧州諸国にガス代金をルーブル建てで払うよう要求した。ハンガリーを除くEU加盟国が取り決めと異なるとしてこれを拒否したのを受け、4月27日にまず、ポーランドとブルガリアへの供給を停止した。ポーランドのアナ・モスクヴァ気候相は、この経緯を指摘し「ロシアが一方的に契約を破ったのだから解除は当然」と話している。

ポーランドは1993年8月にロシアと天然ガスの長期調達契約を締結した。以来、この契約は幾度も更新された。現行契約は2010年10月に結ばれたもので、今年末が期限だった。ポーランドはすでに2019年の段階で期限切れと同時に取引を打ち切る方針を明らかにしていた。

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