●停止はルーブル払いの要求に応じなかったことが理由
●フィンランドのエネ消費に占める天然ガスの割合は6%程度
フィンランドの国営ガス会社ガスムは21日、ロシアからの天然ガス供給が停止したと発表した。ロシアが要求するルーブルでの支払いに応じなかったためで、国営ガス会社ガスプロムは21日朝からフィンランドへのガス供給を止めると通告していた。フィンランドは18日に大西洋条約機構(NATO)への加盟を申請しており、同国に対する圧力の一環とみられる。
フィンランドの送ガス会社ガスグリッドも21日、ロシアとの国境の町、イマトラにあるエントリーポイントからのガス供給が停止したことを確認した。ガスムは声明で、当面は同国とエストニアを結ぶパイプライン「バルティック・コネクター」を通じ、別の供給元から顧客に天然ガスを供給すると説明している。
一方、ガスプロムは21日発表した声明で、ガスムが支払期限の20日までに4月分のガス代金をルーブルで支払わなかったため、フィンランドへのガス供給を完全に停止したと主張している。フィンランドのエネルギー消費量に占める天然ガスの割合は6%程度だが、これまでその多くをロシアからの輸入に依存してきた。
ロシアは欧米などの非友好国に対し、ガス代金をルーブルで支払うよう要求している。ガスプロムは4月、代金がルーブルで支払われなかったとして、ポーランドとブルガリアへのガス供給を一方的に停止した。フィンランドに対しては、ロシアの政府系電力会社インテルRAOが今月14日、代金未払いを理由に同国への送電を停止している。