●「ミシュ(Mir)」は防衛的な小型対潜艦としての運用を想定
●GNSS電波の妨害時にも航行を継続できる性能を持つ
トルコでこのほど、軍需大手アセルサンが開発した自律運航船(USV)「ミシュ(Mir)」がお披露目された。昨夏の「アルバトロスS」に続くもので、積載量が大きいのが特徴という。
トルコ大統領府国防産業庁(SSB)のイスマイル・デミル長官によると、両USVは船団に加わる形でも、単独でも航行できる。また、今後は環境観察・操縦・センサ技術を詳細に検証していく方針だ。さまざまなセンサを用いて障害物・物体・動体の自動検出機能に応用することなどを目指す。
マルマラ海における試験では、複数のUSVが相互にデータを共有しながら航行する様子がみられた。航行する地域および全国の通信システムのほか、管制システム、多重・冗長化システムの機能が試された。また、衛星測位システム(GNSS)電波の妨害時にも航行を継続できる性能も披露された。
ミシュはもともと、トルコのセフィーネ造船所のコンステレーション級自律運航艦を防衛的な小型対潜艦に設計し直したものだ。可変深度ソナー(VDS)のほか、沿岸での対潜作戦に必要な耐航性・操舵性を備える。波高2.5メートルまで航行でき、最高速度は36ノット(時速66.7キロ)強だ。ユーザーのニーズに合わて装備を変えられることから、一般的なUSVとしての需要も視野に入れられるようになった。