●同社のSAFは従来の航空燃料に比べCO2排出量を約70%削減
●欧州委は50年までに航空輸送燃料の最低63%をSAFとする計画
オーストリア石油大手OMVのルーマニア子会社OMVペトロムは23日、菜種油を原料に持続可能な航空燃料(SAF)を生産すると発表した。国内中南部プロイェシュティのペトロブラジ精製所で、地元産の菜種油を共処理して生産する。7月に最初の試験稼働を行う予定。同社のSAFは従来の航空燃料と比較して、商用飛行における二酸化炭素(CO2)排出量を約70%削減できる。
SAFの生産はOMVペトロムの戦略目標の一つで、航空業界の気候目標を達成するための重要な代替手段と位置付けている。同社は2030年までにSAFと水素化植物油(HVO)を年間約45万トン生産する目標を掲げる。将来的には廃食用油など様々な廃棄物を原料にSAFを生産する方針だ。
ペトロブラジ精製所は年間で450万トンの処理能力を持つルーマニア有数の石油化学施設。SAFとHVOの生産に向け、同国の精製所で初めてISCC(国際持続可能性カーボン認証制度)の認証を取得した。
欧州連合(EU)の欧州委員会は50年までに域内の航空輸送燃料の最低63%をSAFとする計画だ。ルーマニアはEU第4位の菜種生産国で、生産物の大半は原材料(種子)として輸出されている。