ブルガリア、ギリシャとの水素パイプライン構築に意欲

●ソフィアとテッサロニキ間にパイプラインを敷設する計画

●水素ガスの供給比率、25年までに最大15%実現を目指す

ブルガリアが隣国ギリシャとの水素ガス輸送パイプライン構築を検討している。国営ガス輸送会社ブルガルトランスガスのウラディミール・マリノフ社長は6月半ばに開かれた第3回ソフィア経済フォーラムで、同国のエネルギー安全保障上の重要措置として近くギリシャで議論を進めることを明らかにした。

マリノフ社長によると、首都ソフィアとギリシャのエーゲ海沿岸都市、テッサロニキを結ぶ水素ガスパイプラインの合同プロジェクトを立ち上げる。当面は天然ガスを補足する役割にとどまるが、将来的に水素ガスの供給比率を上げる考えだ。2025年初に最低でも5%、可能であれば10~15%の実現を目指す。

ブルガルトランスガスはまた、天然ガスの調達ルートを多様化し、安定的かつ柔軟に競争力のある価格で調達することを目的に、ギリシャ東部アレクサンドルーポリの液化天然ガス(LNG)ターミナルの実行母体であるアレクサンドルーポリ・インデペンデントナチュラルガスシステムに20%の比率で出資している。浮体式ターミナルはLNG受入れ、貯蔵、ガス化施設を備え、ギリシャの送ガス網に28キロメートルのパイプラインで連結される。年間供給量61億立方メートルの計画で、同国からさらにブルガリア、セルビア、北マケドニアなど国外にも供給する。2024年初めの稼働開始を目指す。

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