●組織工学などの技術を活かし、同分野を強化する狙い
●代替タンパク質などの開発を進める企業や研究機関を支援する
イスラエル政府はこのほど、食品関連技術に関する研究開発事業の公募を開始した。同事業は総額100万ドル余りの大型プロジェクトで、代替タンパク質などの開発を進める企業や研究機関の研究支援を目的とする。同国が強みを持つ組織工学などの技術を活かしてフードテック分野を強化する狙いがある。同事業には非営利組織のグッドフード研究所(GFI)が協力する予定。
公募対象には、新成分や代替タンパク質をはじめ、栄養、包装、安全性、加工技術など広範な分野が含まれる。植物由来の人工肉や牛乳、卵の代替食品、培養肉及び培養魚肉、昆虫食、発酵食品等の開発が想定されている。
同事業を推進する農業・イノベーション・科学技術省はプロジェクトを通じ、培養肉、植物原料、組織工学の関連技術を用いた代替食品の開発を行う複数の大学を支援する。これら食品の品質や生産プロセスの向上を図ることが目的だ。
同国からは既にフードテック分野で成功を収める企業が出ており、いずれも大学での研究成果を基にした技術を利用している。例えば培養肉を開発するアレフ・ファームズ社とフューチャー・ミート社は、組織工学分野を代表する研究者であるイスラエル工科大学(テクニオン)のシュラミット・レーベンスベルグ教授と、エルサレム・ヘブライ大学のヤーコブ・ナーミアス教授が開発したバイオ技術を用いている。