セルビア、アゼルバイジャンとガス調達で交渉

●IGBに連結完了の来年9月の調達開始を予定

●セルビアは天然ガスを100%ロシアに依存

セルビアが天然ガスの調達でアゼルバイジャンと交渉を進めている。ミハイロヴィッチ・エネルギー相が12日明らかにしたもので、自国とブルガリアのガスパイプラインが連結される来年の調達開始を予定する。現在、天然ガスは100%ロシアに依存しており、アゼルバイジャンは調達先の多様化を図るうえで重要な役割を担う。両国は6月にエネルギー分野での提携合意を交わしており、関係を強めている。

7月初めに完工したギリシャ北東部のコモティニからブルガリア中南部のスタラ・ザゴラを結ぶガスパイプライン「インターコネクター・ギリシャ・ブルガリア(IGB)」は全長182キロメートルで、アゼルバイジャンからイタリアに至る欧州南廊ガスパイプラインの一部を成す。セルビアは2月、ブルガリアのパイプラインへの連結パイプラインの建設プロジェクトを立ち上げ、来年9月の完成を目指している。輸送能力は18億立方メートルを予定する。

セルビアは2008年に石油ガス事業をロシア企業に委ね、石油会社NISは露ガスプロムネフチとガスプロム、ガス貯蔵施設はガスプロムが最大出資シェアを持つ。ロシア産原油が欧州連合(EU)の経済制裁対象となっていることから、他国からの調達を検討ており、将来的にギリシャの液化天然ガス(LNG)ターミナルを通して米国、アルジェリアなどのLNG調達も視野に入れる。

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