●同国のEU向けガス輸出量は今年120億立方メートルに拡大見込み
●年間供給量は27年までに少なくとも200億立方メートルに拡大
欧州連合(EU)とアゼルバイジャンは18日、エネルギー分野での協力を強化することで合意した。天然ガス供給のロシア離れが進むEUに対して、アゼルバイジャンが天然ガス輸出を2027年までに倍増する。
バクー油田を抱えるアゼルバイジャンは世界有数の産油国。2021年はEUに81億立方メートルの天然ガスを輸出した。22年は120億立方メートルに拡大する見込みだ。
アリエフ大統領が同国を訪問した欧州委員会のフォンデアライエン委員長と交わした覚書によると、アゼルバイジャンは同国産天然ガスをトルコ経由で欧州に運ぶ「南ガス回廊」と呼ばれるパイプラインの輸送能力を増強し、年間供給量を27年までに少なくとも200億立方メートルに拡大する。
EUはロシアがウクライナに侵攻する前に、域内で消費するガスの40%をロシアから輸入していた。天然ガスはEUによる経済制裁の対象となっていないが、ロシアが供給を削減しており、エネルギー安全保障の観点で調達先の多様化を目指している。6月にはノルウェーとEUへの天然ガス供給を拡大で合意していた。