●QFCがポーランドの関係機関と覚書を交わすのはこれが初
●ポーランドはスタートアップやグローバル企業を呼び込む狙い
カタール金融センター(QFC)とデジタル・ポーランド基金はこのほど、両国のデジタル産業育成に関する協力について合意し覚書を締結した。同覚書はQFCがポーランドの関係機関と結んだ初めての合意で、両国は協力を通して新技術の開発を加速していく方針だ。
同覚書によると、両者はウェブで行うセミナー(ウェビナー)やネットワーキングイベント、ビジネス会合の開催などを通して両国のデジタル部門のエコシステムを活発化させる予定。企業による事業の共同実施や関連情報の共有を促進する他、ソーシャルメディアやデジタルプラットフォーム上でのイベントを相互に開催していく。
カタールは2030年に向けた「カタール国家ビジョン」を掲げ、持続可能な開発に向けデジタル化などを通して社会の変化を促していく方針を明らかにしている。両国は今年5月、3回目となる「カタール・ポーランド・新テックフォーラム」を開催している。
デジタル・ポーランド基金のミエツコウスキ総裁は、今回の合意を通してポーランドにスタートアップやグローバル企業を呼び込むと共に国内企業の海外進出を促進することができると述べた。
カタールの首都ドーハにあるQFCは同国やその周辺地域での事業活動の促進を目的とした組織で、登録企業に対する優遇制度を運用している。優遇措置には外国企業による100%子会社の設立や全収益の本国への送金、10%の法人税率及び80カ国との間で締結されている二重課税防止条約の適用、英米法(コモン・ロー)に基づく法的環境の提供、外国通貨での取引権などがある。