ハンガリー、自動車用燃料などの価格制限措置を年末まで延長

●自動車燃料の価格制限は1リッター当たり最高480フォリント

●価格制限で生じるコストは主に小売業者が負担

ハンガリー政府が、燃料および特定食料品の価格制限措置を年末まで3カ月延長する。ビクトル・オルバン首相が17日、フェイスブックで明らかにした。

政府は昨年11月から、ガソリン(オクタン価95)とディーゼル油の販売価格を1リッター当たり最高480フォリント(1.18ユーロ)に制限している。砂糖、食用油、鶏むね肉など特定の食品については、今年2月、2021年10月の水準で固定した。

自動車燃料の価格制限は当初、全車両に適用されていた。しかし、燃料の流通量が不足気味になったため、まず国外登録車が、先月からは社用車・公用車も対象から外された。これらの車両の給油時に支払う価格を上限価格と比べると、ガソリンで32%、ディーゼル油で57%高くなっている。

欧州委員会は、他の欧州連合(EU)加盟国のドライバーに国内ドライバーよりも高い値段で燃料を販売することが、差別を禁止する欧州法に抵触する可能性があるとみて、審査を開始する予定だ。

燃料価格制限で生じるコストは主に小売業者が担っている。これに対しては、独立系ガソリンスタンドの経営者らから「採算がとれない」と苦情が出ている。店舗を閉めることを考えるところも多いという。(1HUF=0.35JPY)

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