●イノバットは合併も選択肢として提案している
●同工場建設は資金調達が難航しているもよう
スロバキアの電気自動車(EV)用バッテリー大手のイノバットは、英国の新興リチウムイオン電池メーカーのブリティッシュボルトが英国北部のカマスに建設中のギガファクトリーの買収で交渉しているもようだ。関係筋が明らかにしたもので、イノバットは合併も選択肢として提案していると見られる。ブリティッシュボルトはコメントを拒否している。
ブリティッシュボルトは2019年の設立で、21年8月に鉱山開発大手のグレンコアと戦略提携を結ぶとともに、同社から出資を受けた。英国最大のEV用バッテリーセル工場となるカマス工場建設プロジェクトは資金調達が難航しているもようだ。来年後半を予定していた生産開始が、エネルギー価格高騰や金利上昇などにより25年半ばに遅れる見込みだという。
イノバットはブラチスラバ近郊のヴォデラディに工場および研究開発(R&D)センターを持つ。今年 3 月、初の海外拠点として英国のウォリック大学サイエンスパークにオフィスを開所し、欧州事業の強化と米国など新市場開拓に取り組んでいる。本格的な生産開始に向け欧州の新生産拠点を検討中で、英国北東部やスペインのカスティリャ・イ・レオン州などが候補にあがっているようだ。