●ドイツ国内の石油精製所へは中断無く供給
●世界最大規模の同パイプラインは全長約4,000キロメートル
ロシアから中東欧経由でドイツに至る石油輸送網「ドルジバ・パイプライン」のポーランド区間で石油漏れが見つかったことについて、同区間運営会社のペルンは12日、パイプの変形状態から破壊工作等の外的関与は考えられないと発表した。エネルギーインフラ担当政府高官のベルガー氏も現時点では「事故による損傷」との見方を示した。今後事故の原因を究明するとともに、破損個所を修理し迅速にパイプラインを復旧させるため、詳細分析を行う。
2連のパイプラインの片方に漏れが見つかったのはポーランド中部のプロックから西方約70キロメートルの地点で、発覚後、即時ポンプを停止した。ドイツ経済省によると、もうひとつのパイプには問題がなく、ドイツ北東部シュヴェートと東部ロイナにある石油精製所は中断なく供給を受けている。
「ドルジバ」は全長約4,000キロメートルに及ぶ世界最大規模の石油パイプラインで、旧ソ連体制の1960年代に中東欧社会主義圏の精製所への供給網として整備された。ドイツのシュヴェートとロイナの精製所も旧東独時代から供給を受けているが、シュヴェート精製所は年末でロシアからの調達を停止する計画だ。