米フォードがロシアから完全撤退、合弁事業の株式売却

●フォード・ソレルスの株式49%を売却

●フォードは以前からロシア事業を縮小

米自動車大手フォードは10月26日、ロシア合弁の株式を売却し、同国から完全撤退すると発表した。ウクライナへの軍事侵攻を受けた措置。すでに3月から同国での製造、部品供給、ITおよびエンジニアリングサポートにいたる全事業を停止していた。

合弁会社フォード・ソレルスの株式49%を共同出資者の現地同業ソレルスに売却する。取引額は非公表。「世界情勢が変化した場合」は株式を5年以内に買い戻せるオプション権を持つものの、フォードはウクライナ戦争以前から同国事業を縮小しており、この権利を行使する可能性は低いとみられる。

フォードは3月の事業停止を受けて1億2,200万ドルの引当金を計上した。今回の決定に伴う追加の計上はないという。昨年のロシアでの販売台数は約2万台。

同社は2019年3月、ロシアでの乗用車生産を終了するとともに、組み立て工場2つとエンジン工場1つを閉鎖すると発表。フォード・ソレルスの経営権をソレルスに移譲していた。同合弁はタタルスタン共和国エラブガの工場で小型商用車「トランジット」を生産している。

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