●カザフは資源輸出国から完成品を輸出する工業国へ転換を図る
●年産能力は200万トン、EUの30年の輸入目標の約5分の1に匹敵
ドイツ・スウェーデン系の再生可能エネルギー開発企業スヴェヴィント(SVEVIND)はこのほど、カザフスタン西南部のマンギスタウ県で再可エネを活用したグリーン水素製造プロジェクトに着手した。最大20ギガワット(GW)の製造能力を整備し、2030年から稼働する計画だ。投資額500億米ドルは自己資金でまかなう。
同プロジェクトでは、◇海水淡水化施設(日産能力:25万5,000立方メートル)◇風力・太陽光発電所(合計出力40GW)◇水素製造設備(20GW)――を整備する。32年にフル稼働すると、水素の年産能力は200万トンに達する見通し。これは、欧州連合(EU)の30年の輸入目標のおよそ5分の1に匹敵する。
雇用創出効果は工事期間に3,500人、稼働後に1,800人と見込まれている。また、ドイツとカザフスタンの大学間が提携し、マンギスタウ州で従業員訓練を行う。
カザフスタン政府は、資源輸出国から完成品を輸出する工業国への転換を図るにあたって、グリーン水素プロジェクトが重要な意味を持つと考えている。さまざまな地域で技術を持つ人材が必要となり、訓練を通じて就業人口の能力が向上するためだ。