●25年に年産能力4GWhで稼働開始、最大32GWhの生産能力を整備
●同社は西欧と東欧の1カ所ずつに工場を建設する意向
スロバキアの電動車(EV)用バッテリーメーカー、イノバットは14日、セルビアでの工場建設計画に関連し、同国政府と基本合意書を交わしたと発表した。最大32ギガワット時(GWh)の生産能力を整備する代わりに、助成金と税軽減措置の合計で最大4億1,900万ユーロの支援を受ける内容だ。交渉に近い筋によると、最終契約の調印も間近という。
イノバットは25年に年産能力4GWhでセルビア工場を稼働。受注のテンポに合わせ、4GWhずつ生産施設を増設していく方針だ。
生産能力の整備については、従来から西欧と東欧の1カ所ずつに工場を建設する意向を示していた。西欧については先月、スペイン政府と基本合意を結んだが、まだ最終決定ではないため、英国など他の候補地が選ばれる可能性もある。
米国では電動商用車・バッテリーおよび関連ソリューションの開発を手がける米アイディアノミクスと戦略提携し、インディアナ州に研究開発拠点を設ける計画だ。将来的に工場を設置することも視野に入れている。
イノバットは来年初めにもブラチスラバで生産能力45メガワット時(MWh)のパイロット生産ラインを稼働し、試験生産に入る。すでに、電動垂直離着陸(eVTOL)機を開発する独リリウムなどから受注があり、30年までに5億ユーロの製品を出荷することになっているという。