ポーランド中銀が金利据え置き、2会合連続

●高金利と世界経済の低迷がインフレを押し下げると判断

●インフレ率の高さをみれば利上げは避けられない=蘭ING銀

ポーランド中央銀行(NBP)は9日、主要政策金利である7日物レファレンス金利を6.75%に据え置くことを決めた。金利据え置きは2会合連続。市場は0.25ポイントの利上げを予想していた。景気が減速する中、現行の高い金利水準と世界経済の低迷がインフレを押し下げると判断し、追加利上げを見送った。ロンバート金利は7.25%に、公定歩合(再割引率)は6.8%に、預金金利は6.25%にそれぞれ据え置いた。

同国のインフレ率は10月に17.9%となり、前月から0.7ポイント拡大した。インフレ率の上昇は8カ月連続で、2月(8.6%)からの上げ幅の合計は9.3ポイントに上る。農産物とエネルギー価格の高騰、持続的なサプライチェーンの混乱に加え、上昇するコストを企業が価格に転嫁していることが大きい。中銀は年間インフレ率について、今年は14.4~14.5%、23年は11.1~15.3%と高水準になるものの、24年に4.1~7.6%へと低下し、25年には2.1~4.9%と目標値の2.5%に近づくとみている。

中銀は声明で、7-9月期(第3四半期)の経済活動は前年同期比で減速しており、今後数四半期の成長率はさらに鈍化すると予測。世界的な景気低迷と主要中央銀行の金融引き締め政策によりインフレが抑えられると判断し据え置きを決めたと説明した。また、為替相場における通貨ズロチの変動を抑えるため市場に介入する方針も示した。

蘭ING銀は2会合連続の据え置きを決めた中銀の狙いについて、インフレ率の急速な引き下げよりも経済のソフトランディングを目指すものだとしたうえで、そのような戦略はインフレ期待を高止まりさせ、将来的にインフレ率を下げるためのコストが膨らむ可能性があると指摘。今回の決定は利上げサイクルの終了を意味しておらず、インフレ率の高さをみれば利上げは避けられないとの見方を示した。

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