●インフレ率は1月に20%まで上昇する見込み
●インフレ目標2%の達成に向け、当面は7%の高金利を維持
チェコ中央銀行(CNB)は2日、主要政策金利である14日物レポ金利を7%に据え置くことを決めた。据え置きは5会合連続。ロンバート金利(上限金利)と公定歩合(下限金利)もそれぞれ8%、6%に据え置いた。CNBはインフレ目標の2%の達成に向け、当面は高金利水準を維持する姿勢を示している。
同国の12月のインフレ率は15.8%となり、前月から0.4ポイント縮小した。インフレ低下は12月末で終了した電気料金の制限措置によるもので、1月は20%近くまで上昇する見込みだ。CNBは今後について、今年の春から急速に下がり始めて下半期には10%を下回り、2024年の夏ごろには2%台まで下がるとみる。
現在のインフレの状況に関しては、上振れリスクとして財政政策の緩和と、インフレ期待の高まりを受けた賃金上昇が、下振れリスクとして世界的な景気後退や国内需要と投資の強い落ち込みがあると指摘。相反するリスクの両方向に進んでおり、世界情勢の見通しも不確実性が高いことから金利据え置きを決めたと説明した。
CNBは声明で、同国経済は外部環境からの強いインフレ圧力と、国内の需要圧力の両方に直面していると述べ、これらの圧力を弱めるために金利を高い水準で維持する方針を繰り返した。次回の会合では据え置きか利上げかを決定するとしたうえで、需要が供給を上回ることで生じるディマンドプル・インフレーションのリスクが高まる場合には利上げに踏み切る可能性を示した。
オランダのING銀行はCNBの決定について、一部で提案された利上げを拒否しつつ高金利を維持するという「ハト派とタカ派の組み合わせ」だと説明。もしも年内に利下げを行う場合、8月と11月に0.25ポイントずつ引き下げると予想している。