ロシア産石油製品に対する上限価格で合意、G7・豪と共に5日発動

●ガソリン・ディーゼルなどは100ドル、重油などは45ドルに設定

●EUは2月24日までに第10弾となる対ロ制裁を発動する方向で準備

欧州連合(EU)は3日、ブリュッセルで大使級会合を開き、ロシア産石油製品の上限価格で合意した。ウクライナへの侵略を続けるロシアに対する制裁の一環で、主要7カ国(G7)およびオーストラリアと足並みを揃え、5日付で発動する。また、EUは同日からロシア産石油製品の輸入を禁止する。

EUなどは2022年12月、ロシア産原油の上限価格を1バレル当たり60ドルとする措置を導入済み。エネルギー輸出を通じた戦費調達を妨げる狙いで、石油製品にも上限価格を設定してロシアの収入源を抑え込む。

ガソリンやディーゼル燃料などは上限価格を1バレル当たり100ドル(約1万3,000円)、重油など販売価格が比較的安い製品は45ドルに設定する。欧米の金融機関に対し、上限を超える価格で取引された石油製品を輸送する船舶に保険を提供しないよう義務付ける。海上保険や再保険を取り扱うのは大半が欧米企業のため、制裁に参加しない国も上限を超えた価格での取引は難しくなる。3月中旬に上限価格が適切かどうか検証し、必要に応じて設定を見直す。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は声明で「われわれはプーチン(露大統領)に残虐な戦争の代償を払わせ、ロシア経済に打撃を与えている。新たに石油製品に上限価格を設定することで、一段とロシアに対する圧力を強め、プーチンの戦争遂行能力を削ぐことができる」と強調。ウクライナへの軍事侵攻開始から1年目となる2月24日までに、EUとして第10弾となる対ロ制裁を発動する方向で準備を進めていることを明らかにした。

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