●景気減速が予想される中、高金利を維持しインフレを押し下げる
●昨年12月のインフレ率は16.37%、2カ月ぶり低下
ルーマニア中央銀行は9日、政策金利を7%で据え置くことを決めた。景気の減速が予想される中、高金利を維持してインフレを確実に押し下げる。貸出金利と預金金利もそれぞれ8%、6%で据え置いた。中銀は前回まで11会合連続で利上げを行い、政策金利を1.25%から5.75ポイント引き上げていた。
同国の昨年12月のインフレ率は16.37%となり、前月から0.39ポイント縮小した。インフレ率の低下は2カ月ぶり。石油価格の下落を受けて燃料価格の高騰に歯止めがかかりつつある。中銀は今後について、今年7-9月期(第3四半期)には一桁台の水準まで低下するとみる。
2022年7-9月期の国内総生産(GDP)成長率は3.8%となり、前期の5.1%から縮小した。ウクライナ戦争を受けた対ロ制裁が影響しており、10-12月期と23年1-3月期も引き続き減速する予想だ。
中銀は声明で、一部の商品価格は下落しているものの、戦争に伴う不確実性は増しており、中期的にみてインフレリスクをもたらしていると指摘。持続可能な経済成長を促すとともにインフレ期待を抑えるため、現時点では金利の維持が妥当との判断を示した。また、金融機関が持つレウ建ておよび外貨建て債務の両方について、現行水準の最低預金準備比率を維持することも決めた。