●インフレリスクを抑えるため高金利水準を維持
●中銀はインフレ率が今年前半から緩やかに下がり始めると予想
ハンガリー中央銀行は2月28日、政策金利を13%に据え置くことを決めた。据え置きは5会合連続で、市場の予想通り。インフレ率は上昇しているものの、現行の高金利水準を維持することでインフレリスクを抑えられると判断した。
政策金利の下限となる翌日物貸出金利は12.5%に、上限となる翌日物、7日物有担保付貸出金利は25%に、それぞれ据え置いた。
同国の1月のインフレ率は前月から1.2ポイント増の25.7%に拡大した。燃料価格の高騰が大きい。インフレ率の上昇は13カ月連続で、ウクライナ戦争勃発後の3月(8.5%)からの上げ幅の合計は17.2ポイントに上る。中銀は今後について、エネルギーや食品の価格はウクライナ戦争以前の水準まで下落しており、国内の景気減速を受けた消費者需要の減退も価格圧力を緩和すると予想。インフレ率は今年前半から緩やかに下がり始め、年央からはさらに大幅に低下し、2024年に中銀の許容範囲に戻るとみる。
中銀は新型コロナ流行を受けて高めた流動性の余剰分を引き締めるため、昨秋以降に預金準備率の引き上げや長期預金手段、割引手形オークションの開催などの施策を導入している。同銀は声明で、金融市場の安定確保が物価を安定させるための鍵だと指摘。今後も金融環境を長期間引き締めることでインフレ目標を持続可能な形で達成できるとする見解を繰り返した。