●中銀は2%のインフレ目標達成に向け高金利水準を維持する姿勢
●金利をピークとみる市場の期待は「実現しないかもしれない」
チェコ中央銀行(CNB)は3月29日、主要政策金利である14日物レポ金利を7%に据え置くことを決めた。据え置きは6会合連続。ロンバート金利(上限金利)と公定歩合(下限金利)もそれぞれ8%、6%に据え置いた。CNBは2%のインフレ目標達成に向け、当面は高金利水準を維持する姿勢を示している。
同国の2月のインフレ率は16.7%となり、前月から0.8ポイント縮小した。直近でピークだった昨年9月(18%)以降は15.1~17.5%の間で推移している。CNBは今後について、低下を続けて下半期には10%を下回り、2024年の夏ごろには2%台まで下がるとみる。 現在のインフレの状況に関しては、上振れリスクとして財政拡大と予想を上回る賃金の上昇、インフレ期待の上昇、下振れリスクとして国内需要と投資の強い落ち込みを指摘。これらの相反するリスクと、世界情勢の先行き不透明感を踏まえ、金利据え置きを決めたと説明した。
CNBは声明で、同国経済は外部環境からの強いインフレ圧力と、国内の需要圧力の両方に直面しているとして、これらの圧力を弱めるために高金利を維持する方針を示した。また、市場が現在の金利をピークとみていることに関して、「期待は実現しないかもしれない」と言及。賃金と物価が連動して上昇する賃金物価スパイラルのリスクが高まる場合は次回の会合で利上げに踏み切る可能性を示唆した。