●独・アイルランドの既存拠点と連携し半導体製品を生産
●同国の誘致は他国より「少しだけ貪欲」だった=インテルCEO
米半導体大手のインテルは16日、ポーランド南西部のブロツワフ近郊に半導体チップの組立・検査施設を設置すると発表した。欧州での生産体制を拡充する計画の一環。既存拠点と連携して半導体の安定供給を図る。投資額は最大46億米ドルで、ポーランド史上最大のグリーンフィールド投資となる。
欧州連合(EU)の欧州委員会の承認を経て着工し、2027年までの完成を予定する。約2,000人の新規雇用に加え、サプライヤーなどを含め数千人の間接雇用が見込まれている。
新拠点ではアイルランドのレイクスリップの既存工場、およびドイツのマグデブルクに建設する工場が製造したシリコンウエハー上のチップを個々のチップに切断し、最終製品に組み立てる。その後、性能と品質をテストし顧客に出荷する。3拠点が緊密に連携することで、欧州の半導体サプライチェーンの強靭化とコスト効率の向上に寄与できるとみる。
インテルはポーランドで30年間に渡り事業を行っており、整ったインフラと豊富な人材、良好な事業環境を長所に挙げる。パット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は「ポーランドは他の製造拠点とのコスト競争力が非常に高い」と評価。ブロツワフの新拠点については、同国の誘致が他国と比べて「少しだけ貪欲」だったと明かした。