バルト海の洋上風力発電プロジェクト、最初の掘削工事が完了

ポーランドの石油大手オルレンは4日、バルト海における洋上風力発電プロジェク
ト「バルチックパワー」で、最初のトンネル掘削工事が完了したと発表した。洋上
の発電所を陸上の変電所に接続するためのもので、1.4キロメートルの区間に直径
30センチの送電ケーブルを敷設する。同発電所は2026年の稼働を予定している。
今回の掘削は4つのトンネル工事のうちで最初のもの。環境保護や安全性に優れる
誘導式水平ドリル工法(HDD)を採用した。地下約1.5キロメートルの深さを掘削す
るすべての工事を終えると合計で8,000立方メートル超の土砂が採取される。この
土砂は冬の悪天候で被害を受ける海浜の修復に使われるという。
オルレンがカナダの海上風力発電大手ノースランドと共同で進めるバルチックパ
ワーでは、バルト海沿岸のホチェヴォからウェバにかけた地域の沖合23キロの海域
に、合計出力1,140MWの風力タービンを設置する。年間発電量は150万世帯分に当た
る4,000ギガワット時(GWh)。洋上風力発電所としては世界で初めて、タービン・
タワーの大部分に低排出鋼材を使い、タービンの稼働期間全体で二酸化炭素
(CO2)排出量を10%削減する。

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