スペイン最大の太陽電池メーカーIsofoton(マドリード)がドイツ市場の開拓に本腰を入れ始めた。本国市場の冷え込みを受けた措置で、2009年末にはドイツで初めて大型プロジェクトを完成させた。
\Isofotonは1981年、マドリード大学の研究者が設立した太陽電池のパイオニア企業で、現在は複合企業Bergeグループの傘下に入っている。世界60カ国に進出し、売上高は4億1,500万ユーロに上る。従業員数は700人。太陽光発電セル・モジュールと太陽熱発電システムの製造から設置までを手がける総合性が強みとなっている。
\ただ、スペインを主力市場とする関係で、同国政府が昨年秋に補助金を大幅に削減した影響を強く受けており、09年のセル・モジュール出荷高は前年の110メガワット(MW)から60MWに半減した。大幅な赤字に転落したという。
\ドイツ市場も補助金削減や中国企業の価格攻勢で環境が厳しくなっているが、同社は開拓の余地が大きいとみている。09年末には年間発電能力87万キロワット時の太陽光発電設備を産業用ロボットメーカーReis Roboticsの工場に敷設した。ドイツでは現在、大型設備の建設プロジェクトを3~4件抱えているという。
\販売網の強化も推し進めており、手工業者などへのチャンネルを持つ中堅企業Mp-tecとは代理店契約を結んだ。独支店は遅くとも2010年末までに開設する計画だ。
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