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2010/1/6

ゲシェフトフューラーの豆知識

社員へのクリスマスプレゼント、金貨は賃金に相当

この記事の要約

「クリスマス手当の代わりにクリューガーランド金貨を社員にプレゼントすれば企業の社会保険料と税負担が軽減されます」――。こんな宣伝文句を目にしたら、「それは良い」と思わず乗ってしまう気持ちに駆られるのではなかろうか。実際に […]

「クリスマス手当の代わりにクリューガーランド金貨を社員にプレゼントすれば企業の社会保険料と税負担が軽減されます」――。こんな宣伝文句を目にしたら、「それは良い」と思わず乗ってしまう気持ちに駆られるのではなかろうか。実際にこの手の宣伝に乗っかってしまった企業はこのほど、ニーダーザクセン・ブレーメン州社会裁判所から手痛い判決(訴訟番号:L 4 KR 109/07)を言い渡された。

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問題の企業は会社のクリスマスパーティで社員に南アフリカ共和国造幣局発行の地金型金貨「クリューガーランド金貨」を2年連続でプレゼントした。同金貨の価値は数千ユーロに上る。

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これに対し同社の財務を監査したハノーバー州保険庁はこの金貨が賃金に相当すると認定。経営者に対し相応の社会保険料を支払うよう要求した。経営者がこれを拒否したため、裁判となった。

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ニーダーザクセン・ブレーメン州社会裁は州保険庁の主張を全面的に支持する判決を下した。裁判官は判決理由の中で、福引くじの一等賞のような形で金貨を贈呈するのであればプレゼントとなり賃金とは見なされないが、同社のケースはこれに当たらないとの判断を示した。上訴を認めなかったため、判決は確定している。

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