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2010/2/3

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Schuler AG―風力発電機事業に参入―

この記事の要約

プレス機械世界最大手の独Schulerは1月28日の決算発表で風力発電設備事業への参入方針を明らかにした。自動車産業に深く依存した事業のあり方を改めることが狙いで、新たな事業の柱に育て上げる意向だ。これまで培ってきたノウ […]

プレス機械世界最大手の独Schulerは1月28日の決算発表で風力発電設備事業への参入方針を明らかにした。自動車産業に深く依存した事業のあり方を改めることが狙いで、新たな事業の柱に育て上げる意向だ。これまで培ってきたノウハウをそのまま活用できるため、同分野への参入を決めた。

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同社は風力発電機市場への参入を2006年からひそかに準備してきた。今後は今年秋にパイロット施設を本社所在地ゲッピンゲンの近郊に設置し、1年間の実用テストを実施。2013年から量産を開始し、少なくとも年100基を販売する計画だ。ユルゲン・トン社長は「3年で売上高3億~3億5,000万ユーロを実現できる」と述べ、事業の成功に自信を示した。

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Schulerが開発しているのはギアレスの直接駆動型タービン。ギアを用いないため保守・修理の手間が大幅に減るのがメリットで、風力発電パーク運営事業者のニーズにマッチしている。定格出力は2.7メガワットで、風力の強くない地域での利用に適しているという。

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2009年9月通期決算の最終損益は6,490万ユーロの赤字で、前期の黒字(860万ユーロ)から悪化した。不況の直撃を受けた自動車を主要顧客産業としていることが影響。売上高と受注高もそれぞれ14.8%減の8億2,300万ユーロ、41.3%減の5億9,050万ユーロへと大きく縮小した。受注の後退はすでに止まっており、経営陣は2010年9月通期決算では増収と黒字転換を見込んでいる。

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