独菓子製造業全国連盟(BDSI)は1月26日、2009年の業界生産額が推定で前年比0.6%減の122億ユーロに後退したと発表した。生産量ベースでは2.3%減の357万3,000トンに落ち込んだ(表参照)。世界的な不況とユーロ高が響き、けん引役だった輸出が伸び悩んだことが響いた。ただ、食品産業全体に比べると後退幅は小さいとしている。
\成長を確保したのはスナック菓子のみで、生産額は8.4%増の7億ユーロ、生産量は1.8%増の25万トンに拡大した。不景気の影響で外出を控え自宅で過ごす人が増えたことが追い風になったようだ。チョコレート製品、砂糖菓子、焼き菓子などは軒並み前年を下回った。
\住民1人当たり菓子消費量は30.12キログラム(kg)で、2.3%減少した。内訳はチョコレート製品が8.94kg(3.5%減)、砂糖菓子が5.62kg(1.8%減)、焼き菓子が7.55kg(3.6%減)、スナック菓子が2.47kg(11.8%増)などとなっている。
\BDSIは今後の懸念材料として、カカオ豆価格の高騰を挙げた。昨今の値上がりは不作のほか、投機資金の流入も影響しており、BDSIの担当者は、不景気による世界的な需要後退にもかかわらずカカオ豆の高騰が続けば、菓子業界は厳しい状況に追い込まれると指摘した。
\