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2010/2/17

総合 - ドイツ経済ニュース

「ノルド・ストリーム」が4月始動へ、フィンランドが正式承認

この記事の要約

ロシア産天然ガスをバルト海経由でドイツに運ぶ海底パイプライン「ノルド・ストリーム」の運営会社は12日、敷設ルートにあたるフィンランド南部の海域を管轄する地方当局から敷設が許可されたと発表した。パイプラインが領海を通過する […]

ロシア産天然ガスをバルト海経由でドイツに運ぶ海底パイプライン「ノルド・ストリーム」の運営会社は12日、敷設ルートにあたるフィンランド南部の海域を管轄する地方当局から敷設が許可されたと発表した。パイプラインが領海を通過するデンマークとスウェーデンはすでにパイプラインの敷設を正式に承認しており、ウクライナを迂回してロシア産天然ガスを直接欧州に運ぶパイプラインの建設が今年4月にもスタートする見通しとなった。

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ノルド・ストリームはサンクトペテルブルク近郊のヴィボルク港からバルト海を経由して、ドイツ北東部のグライフスヴァルトに至る全長約1,200キロメートルのパイプライン。2011年秋から輸送を開始する計画で、最終的に年間550億立法メートルの輸送能力が見込まれる。投資総額74億ユーロに上る同プロジェクトへの出資比率はロシアの天然ガス独占企業ガスプロムが51%、独エネルギー大手エーオンと化学大手BASF傘下のヴィンターシャルがそれぞれ20%、オランダの大手ガス会社Nederlandse Gasunieが9%となっている。

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フィンランド政府は昨年11月にノルド・ストリームの敷設計画を承認する方針を表明したが、パイプラインの建設過程で海底鉱山や過去の戦争で遺棄された化学兵器などが爆発した場合の対応が不透明などと指摘。敷設ルートを管轄する地方当局に対し、ノルド・ストリーム側から提出される追加情報を基に環境への影響を総合的に評価したうえで最終判断するよう指示していた。

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