世界的な景気の低迷を受けて、外食や旅行よりも家庭内での生活に比重を置く「巣ごもり消費」が欧州でも広がってきた。独市場調査大手GfKが昨年末に欧州9カ国で実施した消費者アンケート調査によると、ドイツとフランスでは約50%が外食回数を減らしたと回答。スーパーで特売品を買い高額製品の購入を控える傾向も強まっている。調査はドイツ、フランス、英国、イタリア、オランダ、オーストリア、スペイン、ポーランド、ロシアの約1万200人(14歳ないし15歳以上)を対象に行われた。
\ドイツでは特売品購入などで食費を節約している人が47%、外食回数を減らしているが48%に達しており、レストランや飲み屋の昨年の売上高は前年比で8%、金額にして50億ユーロ減少した。一方、娯楽家電や玩具、観葉植物、ホームテキスタイルの売り上げは堅調で、巣ごもり消費の傾向が鮮明になっている。家具やキッチンなど高額製品の購入を控えているとの回答も42%と多かった。
\調査対象となった他の欧州諸国でも状況はほぼ同じで、フランスやオーストリア、ロシア、イタリアでは特に節約志向が目立った。ただ、節約対象は国によって異なり、フランスは外食、オーストリアは食費、ロシア、イタリアは衣料品や靴で特に支出を切り詰めている。オランダや英国では暖房費や電話代を節約する割合が高い。(「目で見るドイツの経済・社会」を参照)
\一方、スペインとポーランドでは節約志向が低く、3分の1が「不景気を理由にした節約は特にしていない」と回答した。
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