欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2010/2/24

経済産業情報

ドイツ鉄道、ICE-T型車両で車軸交換 アルストムと合意

この記事の要約

ドイツ鉄道(DB、ベルリン)は18日、高速列車ICE-T型車両の車軸を交換することで製造開発元のアルストムなどと合意したと発表した。対象となるのは同型車両67本全てで、交換する車軸の数は1,872本に上る。新車軸の開発・ […]

ドイツ鉄道(DB、ベルリン)は18日、高速列車ICE-T型車両の車軸を交換することで製造開発元のアルストムなどと合意したと発表した。対象となるのは同型車両67本全てで、交換する車軸の数は1,872本に上る。新車軸の開発・製造はメーカー側が行い、連邦鉄道局(EBA)の認可を受けたうえで2011年末から交換作業に入る見通し。交換費用およびその分担比率は公表していない。

\

ICE-T型は車体を傾斜させることによりカーブを高速で通過できる機能を持った振り子式の車両で、ハンブルク~ベルリン~ミュンヘン間、ミュンヘン~ウィーン間などで投入されている。非振り子式のICE-3型とともにアルストム、ボンバルディア、シーメンスからなるコンソーシアムが製造を手がける。

\

DBは08年秋の通常点検で、ICE-T型車両の車軸に2ミリの亀裂を発見した。ICE-T車両は同7月に車軸破損で脱線事故を起こしたICE-3型と類似材質の車軸を使用していることから、DBは保守・点検体制の強化を余儀なくされ、ダイヤが乱れるなど大きな影響が出た。

\

その後の調べによりICE-3の車軸亀裂の原因が製造欠陥にあったことが明らかになったため、DBはICE-3およびICE-T型車両を製造するアルストム、ボンバルディア、シーメンスと交渉を続けてきた。ICE-3型車両の車軸交換については昨年10月に合意が成立しており、今回の合意が成立したことで、ICEの車軸問題は一応の決着を見た格好だ。

\