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2010/2/24

経済産業情報

欧州で再可エネ利用進む、EU目標達成の見通し

この記事の要約

欧州連合(EU)で再生可能エネルギーの利用が進んでいる。欧州風力エネルギー協会(EWEA)は16日、EUは再生可能エネルギーの利用で2020年の目標値を達成できるとの見通しを発表。独再生可能エネルギー業界連盟(BEE)も […]

欧州連合(EU)で再生可能エネルギーの利用が進んでいる。欧州風力エネルギー協会(EWEA)は16日、EUは再生可能エネルギーの利用で2020年の目標値を達成できるとの見通しを発表。独再生可能エネルギー業界連盟(BEE)も18日、ドイツ国内の最終エネルギー消費に占める再可エネの比率が昨年10.6%となり、前年の9.5%から1.1ポイント拡大したと発表した。

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EUが掲げる目標は、「域内エネルギー消費全体に占める再生可能エネルギーの比率を2020年までにEU平均で20%まで引き上げる」というもの。EWEAによると、EU27カ国のうち21カ国が自国に課された目標を達成し、そのうち8カ国は目標値を上回る見通しで、特にスペインは目標値20%を3ポイント近く上回る22.7%を達成、ドイツも18.7%となり目標値18%を上回る。これによりEU全体でも目標値の20%を達成できるという。(表を参照)

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一方、BEEによると、ドイツの最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率が昨年10.6%に達したことで、二酸化炭素(CO2)の排出量は1億1,200万トン抑制された。また、再可エネの利用により環境・健康コストを80億ユーロ、化石燃料の輸入コストを64億ユーロ節約できたという。

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暖房熱分野では再生可能エネルギーの利用比率が7.9%から9.6%へと大きく拡大した。また、電力分野では風力発電が不調で再生可能発電の量は前年並みの933億キロワット時にとどまったものの、不況で電力需要が減ったため、利用比率は15.1%から16.1%に上昇した。発電能力は前年から約5,400メガワット拡大しており、BEEは2020年には国内電力消費の47%を再生可能エネルギーでまかなえると試算している。

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