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2010/2/24

経済産業情報

コガネグモのフェロモン特定・合成に成功

この記事の要約

ボン大学のガブリエレ・ウール教授を中心とする研究チームが、コガネグモ(Argiope bruennichi)のメスの性フェロモンを同定し、合成することに初めて成功した。メチルクエン酸トリメチルと呼ばれる物質で、天然のもの […]

ボン大学のガブリエレ・ウール教授を中心とする研究チームが、コガネグモ(Argiope bruennichi)のメスの性フェロモンを同定し、合成することに初めて成功した。メチルクエン酸トリメチルと呼ばれる物質で、天然のものと同じようにオスのコガネグモを引き付けることを確認した。

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コガネグモ(ドイツ名:Wespenspinne)のメスはスズメバチ(Wespe)のような黄色と黒の縞模様を持つのが特徴。オスはメスよりはるかに小さく、体色は茶色でメスに比べて目立たない。コガネグモのオスは成熟すると、メスの発する性フェロモンを頼りにメスの網までやってきて交尾する。

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研究チームはメスの性フェロモンを採取するために、メスをガラスのケースに入れて飼い、空気採集法によって得た成分をガスクロマトグラフィで分析した。フェロモンの成分はメスの張った網にも含まれていたという。

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研究チームが今回、合成に成功したメチルクエン酸トリメチルは、分子式は同一だが構造の異なる4つの異性体(アイソマー)を持つ。天然の性フェロモンが含むのはこのうち2種類で、混合比は1:6から1:25までとばらつきがあった。チームはコガネグモの交尾期である夏に野外で実験を行い、合成した性フェロモン物質の混合比をさまざまに変えてオスの誘因効果を確認した。この結果、誘因効果はフェロモンの濃度によって決まり、混合比による違いはなかった。

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同研究の成果は『Angewandte Chemie』(2010年2月)に発表された。

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