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2010/3/10

経済産業情報

交差点での安全運転支援プロジェクト、実証試験がスタート

この記事の要約

車車間通信や路車間通信を利用して交差点での安全性向上を目指す産学協同プロジェクト「Sichere Kreuzung(安全な交差点)」の実証試験が2月末、ドルトムントでスタートした。欧州連合(EU)が進める研究プロジェクト […]

車車間通信や路車間通信を利用して交差点での安全性向上を目指す産学協同プロジェクト「Sichere Kreuzung(安全な交差点)」の実証試験が2月末、ドルトムントでスタートした。欧州連合(EU)が進める研究プロジェクト「Safespot」の一環で、特に巻き込み事故の防止に主眼が置かれている。

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Sichere Kreuzungシステムでは、交差点の一角に3Dレーザースキャナーを設置して自転車道や歩道を監視し、検知範囲内に歩行者や自転車が入り込むとサーバーに位置や移動状況のデータを送信する。一方、自動車の位置情報はGPSを通して取得し、無線LANを通してサーバーに送られる。システムはこれらの様々なデータを元に自動車、自転車、歩行者の動きを予測。巻き込み事故あるいは自動車同士の出会い頭の衝突事故の恐れがある場合はドライバーに画像または音声で危険を知らせる。

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実証試験が行われる場所はハンブルク通り(Hamburger Strasse)と裁判所通り(Gerichtsstrasse)の交差点。近くにはドルトムント区裁判所とドルトムント州裁判所があり交通量が非常に多い。試験ではSafespotプロジェクトで開発された車両のほか、ケムニッツ工科大学が開発したコンセプトカー「Carai」、ダイムラーが開発した歩行者安全システム「Car-2-xコミュニケーション」を搭載したメルセデス・ベンツの3種類の車を投入する。

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Sichere Kreuzungプロジェクトに参加しているのはケムニッツ工科大学、ミュンヘン工科大学の2大学と、ボッシュ、コンティネンタル(自動車部品)、ダイムラー(自動車)、テレアトラス(デジタル地理情報)、Sick、ibeo(レーザースキャナー)など9社。プロジェクトの統括は交通関連調査会社のTransverが引き受けている。

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