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2010/3/10

経済産業情報

低脂肪・無添加ソーセージ開発、食感に工夫

この記事の要約

フラウンホーファー・プロセス工学・包装研究所(IVV)と食肉製造マイスターのヨゼフ・ポイントナー氏、食品小売大手Edekaの3者はこのほど、食品添加物を一切使用しない子供向けの低脂肪ソーセージを共同開発した。開発したのは […]

フラウンホーファー・プロセス工学・包装研究所(IVV)と食肉製造マイスターのヨゼフ・ポイントナー氏、食品小売大手Edekaの3者はこのほど、食品添加物を一切使用しない子供向けの低脂肪ソーセージを共同開発した。開発したのは加熱ソーセージや調理ソーセージなど6種類で、3月8日からEdekaで販売されている。商品名は「Kinderwurst Fix und Foxi」。双子のきつね(FixとFoxi)が主人公の人気コミックをキャラクターに採用した。3日付『ヴェルト』紙が報じた。

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ソーセージはドイツ人の大好物だが、脂肪分が多くどんな添加物が入っているかも分からないといった批判も多い。特に親は「子供にはE番号(欧州連合=EU=で食品添加物に付与されている分類番号)が付いていない“クリーンラベル”の食品を食べさせたい」という思いが強い。

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ただ、結着剤を使用しないと適度な固さを保てず、着色料を使わないと美味しそうな色を出ないなどの問題がある。脂肪分も少なすぎると味が落ち、また、低脂肪をうたったソーセージには代わりに糖分が多く使われるため、低脂肪でもカロリーは高い。

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IVVとポイントナー氏、Edekaはこれらの問題を踏まえ、製造プロセスを工夫。混ぜ物や香辛料、製造温度で実験を重ね、E番号の添加物を一切使用していないソーセージを開発した。原料は肉、水、香辛料だけで、脂肪分は10%以下に抑えている。

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低脂肪を実現するために利用したのは脂肪を水分とたんぱく質で置き換える技術。IVVとポイントナー氏、Edekaは2006年にも脂肪分が3%以下のソーセージを共同開発しており、その際に同技術を開発した。肉を混ぜるカッターの温度を従来よりも下げると、たんぱく質の結合が強くなり、保水力も保たれるため適度な固さを出せるという。

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