建設大手Bilfinger Berger(マンハイム)が11日発表した2009年通期決算の最終利益は1億4,000万ユーロで、前年から42.8%減少した。景気悪化による建設需要の冷え込みが響いた。本業のもうけを示す営業利益(EBIT)は19.2%減の2億5,000万ユーロ、売上高(施行高)も3%減の104億ユーロにそれぞれ後退している。一方、新規受注高は8%増の111億3,000万ユーロ、受注残高も10%増の117億ユーロと好調で、業績は回復に向かっているようだ。
\Bilfingerはケルンとデュッセルドルフの地下鉄工事での測量データ改ざんや、舗装補修工事を終えたばかりの高速道路A1号線でのアスファルトはく離など、手抜き工事のスキャンダルに揺れている。同社のボートナー社長は決算報告会で、これらの工事で安全管理体制に不備があったことを認めたうえで、ケルン、デュッセルドルフなどの地下鉄工事については第3者の専門家の協力を仰ぐ方針を示した。A1号線に関しては請負業者を見直すとしている。
\一方、工事の中断ややり直し、損害賠償などに伴う損失については「ごくわずかの額にとどまっている」と説明、また、「わが社に寄せられる顧客の声は批判より称賛の方がはるかに多い」と述べ、顧客の信頼は揺らいでいないと強調した。ただ、金融市場では評価が大きく落ちたとして、信頼回復に全力を挙げる姿勢を示した。
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