欧州航空防衛大手EADS(蘭スキポール)は19日、コンソーシアムパートナーの離脱で事実上の撤退に追い込まれていた米空軍の次期空中給油機調達入札で、提案内容を見直したうえで再び応札する可能性を明らかにした。米国防総省がこれに先立つ18日に、応札期限を延期する用意があると表明したためで、EADSは入札の保護主義に関わる問題が解決されたとは言い難いとしながらも、「再挑戦のチャンスが生まれた」ことに歓迎の意を示した。
\米空軍の次期空中給油機の一般競争入札で、EADSは米Northrop Grummanとコンソーシアムを組んで参加していたが、Northrop Grummanが今月8日、「選定基準が競合の米Boeingに一方的に有利な形へと変更された」として離脱を表明したため、落札の可能性が実質的に消滅。競合の米Boeingの受注がほぼ確実な情勢となっていた。
\これを受け欧州連合(EU)の欧州委員会やEADS関連国は米国の「保護主義」を強く批判し、世界貿易機関(WTO)に提訴する可能性も示唆した。米国防総省は応札期限延長によってEADSの受注に可能性を残すことで、こうした批判をかわしたい考えのようだ。
\EADSは国防省の対応を「重要なシグナル」として歓迎しながらも、選定基準をBoeingに有利な小型機に変更したという根本的な問題は解決されていないと指摘。入札条件をあらゆる角度から検討し「平等な落札のチャンスがあると判断できない限り、再度の応札はあり得ない」との立場を表明した。
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