スイスの銀行大手Credit Suisse(チューリヒ)は19日以降、顧客相談担当の行員がドイツに出張することを大幅に制限している。スイスの銀行を利用したドイツの富裕者層の脱税事件で捜査の手がCredit Suisseに伸びていることが同日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙の報道で明らかにされ、ドイツに入国すると行員が逮捕される恐れが出てきたためだ。同行の広報担当者がスイス紙『ゾンターク』に対し明らかにした。
\FAZ紙はドイツ南部に住むCredit Suisseの顧客が脱税容疑で家宅捜査を受けた事実を報道した。この容疑者の弁護士は税務当局が捜査の手を脱税ほう助の銀行員にも広げようとしていると述べており、同行は行員がドイツに出張すると逮捕されるリスクがあると判断。出張抑制措置を取った。デュッセルドルフ高等検察庁の関係者は独『ハンデルスブラット』紙に対し「銀行員が脱税をほう助していた可能性を示す情報がある」と明言しており、当局がCredit Suisse行員の捜査を開始するのは時間の問題とみられる。
\一方、同行の広報担当者は「国境を超える事業を対象に数年前に厳しい規則を導入した」と述べたうえで、脱税ほう助は禁止事項に当たると明言。脱税ほう助があったとしても銀行ぐるみの行為ではないとの立場を示唆した。
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