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2010/3/24

経済産業情報

経済危機で社員食堂も減収に、弁当志向高まる

この記事の要約

経済危機の影響はドイツの社員食堂も及んでいる。独ホテル・飲食業連盟(Dehoga)によると、外部委託型の社員食堂の2009年売上高は前年比6.2%減の52億ユーロに縮小。減収幅は初めて外食業界(4.9%)を上回った。節約 […]

経済危機の影響はドイツの社員食堂も及んでいる。独ホテル・飲食業連盟(Dehoga)によると、外部委託型の社員食堂の2009年売上高は前年比6.2%減の52億ユーロに縮小。減収幅は初めて外食業界(4.9%)を上回った。節約のために弁当(パン)を持参する従業員が増えたことや社食手当のカット、操短などが原因だ。

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17日付『南ドイツ新聞』によると、体力を使う手工業業界でも、社員食堂で温かい昼食をとらずに、持参したパンと飲み物で満足する傾向が広がっているという。ドイツ人はもともと食べ物への関心が薄く、支出に占める食費の割合は欧州内で最も低い。景気後退を受けて粗食志向に拍車がかかっているようだ。社員食堂の食事の質が落ち値段と釣り合っていないといった不満も多い。

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嗜好や食習慣の多様化も社員食堂の運営を難しくしている。国内の社員食堂の多くは、数年前の刷新ブームで、新しい調理機器やおしゃれな食器、インテリアなどを新調し、メニューにも有機食品や国際色豊かな食事を取り入れた。この結果、利用者が質の高い健康的な食事を求める層とスパゲティやピザなど従来のメニューで安く済ませたいという層に分離。どちらの層にも対応しないと客足が伸びない結果となっている。

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一方、職場に昼食やおやつ用の手作りサンドイッチを持参することはひそかなブームとなっている。特に果物や野菜を多めにはさんだヘルシーサンドイッチが人気だという。

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