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2010/3/24

経済産業情報

ベビーフードが大人にも人気

この記事の要約

ベビーフードに手を伸ばす大人がドイツで増えている。食品市場調査会社のMarkenzeichen Foodによると、ビン入り離乳食を成人が消費する割合は70年代には5%(20ビンに1ビン)だったが、現在では25%(4ビンに […]

ベビーフードに手を伸ばす大人がドイツで増えている。食品市場調査会社のMarkenzeichen Foodによると、ビン入り離乳食を成人が消費する割合は70年代には5%(20ビンに1ビン)だったが、現在では25%(4ビンに1ビン)まで上昇しているという。20日付『南ドイツ新聞』が報じた。

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ベビーフードを食べる大人には若い母親のほか高齢者が多く、業界大手のヒップやネスレは「少子化社会で売り上げを伸ばすチャンス」とこの傾向を歓迎している。また、Markenzeichen Foodのコンサルタントは「(離乳食に似た)成人向けの治療食や病人食の需要は今後増加する」と指摘。これまでほとんど注目されなかった同市場は将来性が高いとの見方を示した。1970年に100万人以上だった国内の新生児数は現在では年70万人以下に減少している。

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ベビーフード市場の開拓に向けては各社とも努力を続けており、世界最大手の独ヒップは国内需要の頭打ちを受けて国外事業を強化。クロアチア、オーストリア、ロシア、スイス、ウクライナ、ハンガリーで生産したベビーフードを欧州全土で販売している。昨年の売上高は前年比9,000万ユーロ増の約5億ユーロに拡大した。同社の独市場シェアは46%で、ネスレとミルパがこれに続いている。

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ヒップとネスレは最近、カップ状のプラスチック容器に入ったバイオ離乳食を発売した。調理法を工夫したためビタミン含有量が他の製品より多いほか、ビンに比べ中身を取り出しやすい、軽くて持ち運びに便利といった特長がある。従来品に比べて価格はやや高いが、購入者(子供の親)は値段よりも品質や安全性にこだわるという。

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