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2010/3/31

企業情報

Evonik Industries AG―上場前倒し視野に、Cognis買収にも関心―

この記事の要約

化学系複合企業のEvonik(エッセン)は25日の決算発表会で2012年以降に予定する株式公開(IPO)を前倒しする可能性を明らかにした。株式市場の環境が急速に改善しているため、これを追い風に利用したい考え。同社のクラウ […]

化学系複合企業のEvonik(エッセン)は25日の決算発表会で2012年以降に予定する株式公開(IPO)を前倒しする可能性を明らかにした。株式市場の環境が急速に改善しているため、これを追い風に利用したい考え。同社のクラウス・エンゲル社長はまた、投資会社PermiraとGoldman Sachsが放出予定の特殊化学大手Cognisの買収にも関心を示した。

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Evonikは当初、2008年秋にIPOを果たす計画だったが、金融危機の発生を受け、出資者のRAG-Stiftung(出資比率:約75%)とCVC(約25%)は先送りを決めた。

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最近は経済の回復期待感を背景に株式市場は回復傾向にあり、ドイツ株価指数は25日の終値が6,132.95となり、1年4カ月ぶりの高値を付けた。また、化学関連企業株の人気は高く、化学品販売大手のBrenntagは29日にIPOを果たした。

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こうした流れを受けPermiraとGoldman Sachsも傘下のCognisを株式公開する方向で検討を開始した。これについてEvonikのエンゲル社長は「出資者が企業(Cognis)の売却ないし株式公開を考えているのであれば、もちろん関心がある」との立場を明らかにした。

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Evonikが同日発表した2009年12月通期決算の営業利益(EBITDAベース)は前年比6%減の20億2,500万ユーロだった。経済危機にもかかわらず減益幅が比較的小さかったのはコストを約5億ユーロ削減したため。売上高は18%減の130億7,600万ユーロ、最終利益は15%減の2億4,00万ユーロだった。

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2010年は売上高で2ケタ成長、EBITDAで09年実績以上を見込む。

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