ドイツ初の超伝導送電網をエネルギー大手のRWE(エッセン)が敷設する方向だ。19日付の経済紙『フィナンシャルタイムズ(ドイツ語版、FTD)』によると、同社は全長2キロメートルのテスト送電網の敷設に関して年内にも最終決定を下す予定。同プロジェクトを担当するフランク・マーシェル氏はFTD紙に対し「実現の可能性は50%以上」との見通しを示した。
\RWEは特定の金属や物質の温度をセ氏マイナス200度程度まで冷やして電気抵抗をほぼゼロにする高温超伝導(HTS)技術を利用する計画。電気抵抗がほぼゼロになるためエネルギーを失うことなく送電できる。具体的には110キロボルトの中圧送電網の地下ケーブルをHTSケーブルに交換することを予定している。
\ただ、HTSワイヤーは生産量が少ないという問題がある。超電導産業同盟は今年の世界生産量を約500キロメートルと予想しているが、これは中高圧のHTSケーブルの1キロメートル分にすぎない。また、国内メーカーの大半は資金調達力が低い中小企業であり、生産能力の大幅増強は困難だ。
\マーシェル氏はHTSワイヤーの生産量が拡大しない限り、HTSケーブルはコスト面で従来品と競合できないと述べる一方、生産量は今後、大幅に拡大すると期待も示した。
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