電力大手の独Eonがイタリアに持つ送電網の売却方針を撤回したことが21日、分かった。広報担当者はメディアに対し「(同送電網の)売却はオプションの1つにすぎなかった。今後はこれを推し進めない」との立場を明らかにした。Eonは年内に事業を計100億ユーロ売却する計画の一環で伊送電網の売却を検討していた。
\Eonの伊送電網は総延長が9,400キロメートルに上る。買収に関心を示す企業はあったが、価格面で折り合いがつかなかった。ロイター通信によると、英投資会社3iとイタリア現地のガス供給会社Erogasmetが共同で買収を狙っていたとされる。
\Eonは欧州事業の拡大に伴い債務が膨らんだため、一部事業を売却し返済資金に充てる意向だ。今年はすでに独国内の高圧送電網と地域電力子会社Thuega、および発電能力の一部を売却。これにより60億ユーロを得ており、同社は目標の100億ユーロを達成できるとしている。
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