中価格帯の衣料品を製造・販売するs.Oliver(ロッテンドルフ)は昨年、売上高を前年比約10%増の8億9,300万ユーロに拡大した。経済危機にもかかわらず増収を確保したのは、店舗数を着実に増やしたほか、高級ブランドの顧客層が流れ込んできたためで、新規出店を除いた実質でも売り上げを4~5%伸ばしている。同社役員への取材をもとに22日付『南ドイツ新聞(SZ)』が報じた。
\アパレル業界では市の中心部やショッピングセンターにある最良物件の獲得競争が激しく、これらの店舗を取得することは難しい。だが、経済危機の影響で競争がやや和らいだため、以前に比べ獲得しやすくなっている。同社はこの機会を利用して昨年、直営店を46新設。同総数を173店舗に増やした。今年も30店の開設を予定している。
\同社の製品・マーケティング・販売担当役員によると、ハイエンド・ブランドから顧客が流れてきたのは価格の高さに見合わない高級ブランドに失望する消費者が増えているため。これらの消費者はs.Oliver製品のコストパフォーマンスの高さを評価しているという。
\デパート大手Karstadtの倒産では同社も債権の一部を減損処理した。ただ、その額は許容限度内に収まっており、s.Oliverは今後も同デパートとの取引を継続する方向だ。
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