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2010/4/28

ゲシェフトフューラーの豆知識

勤務中の私的ネット利用、解雇にならないケースも

この記事の要約

勤務時間中に社員がインターネットを私的目的で利用することを禁止する企業は多い。私的利用を認めると業務に支障が出る恐れがあるためだ。では、ネットの私的利用を禁止していれば、違反した社員を解雇できるかというと、そのハードルは […]

勤務時間中に社員がインターネットを私的目的で利用することを禁止する企業は多い。私的利用を認めると業務に支障が出る恐れがあるためだ。では、ネットの私的利用を禁止していれば、違反した社員を解雇できるかというと、そのハードルはなかなか高いようだ。この問題に関する訴訟で19日公開されたラインラント・ファルツ労働裁判所の判決(訴訟番号:6 Sa 682/09)からはそうした印象を受ける。

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訴えを起こされた企業ではインターネットを業務目的でのみ利用することを社員に文書で確約させていた。原告はそれにもかかわらず、主に自分の銀行口座の預金残高を確認する目的で勤務中にネットを何度も利用したため、雇用主から予告期限つきの通常解雇を通告された。

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解雇の取り消しを求めて原告が起こしたこの裁判でラインラント・ファルツ労裁は、解雇は社会的にみて正当化できないとの判断を示した。判決理由で裁判官は解雇が認められるのはネットの私的利用により業務に著しい支障が出たことを雇用主が証明できる場合に限られると指摘。原告の場合は預金口座を確認したに過ぎず、解雇には値しないと言い渡した。

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雇用問題の最高裁である連邦労働裁判所は過去の判決で、ネット利用が解雇に値するケースとして(1)勤務時間中に仕事をしない(2)ポルノサイトなどの閲覧・保存により雇用主の評判が傷つく恐れがある――を挙げている。今回の判決は(1)に照らして判決をくだしたものと言える。

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