欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2010/5/5

経済産業情報

製薬業界、09年も成長維持

この記事の要約

特許薬業界団体の研究開発型製薬工業会(VFA)は4月27日、加盟45社の2009年売上高が前年比3.6%増の380億ユーロに拡大したと発表した。輸出が5.5%増と好調でけん引、売上全体に占める輸出の割合は1ポイント増の5 […]

特許薬業界団体の研究開発型製薬工業会(VFA)は4月27日、加盟45社の2009年売上高が前年比3.6%増の380億ユーロに拡大したと発表した。輸出が5.5%増と好調でけん引、売上全体に占める輸出の割合は1ポイント増の54%に拡大した。国内売上高は1.4%増と低い伸びにとどまった。

\

研究開発投資(R&D)は4.4%増の52億2,000万ユーロに拡大し、売上高の伸び率を上回った。投資額のうち約30億ユーロは臨床試験関連の投資が占める。VFAのヴォルフガング・プリシュケ会長(バイエル取締役)は「特許製薬業界の売上高はGPDの2.4%に過ぎないが、独産業界全体のR&D投資に占める割合は10%を超える」と述べ、技術革新(イノベーション)による経済の推進役を担っているとの自負を示した。

\

プリシュケ会長はまた、政府与党が先ごろ打ち出した特許薬の価格引き下げ案にも言及。薬価の強制割引率を現行の6%から16%に引き上げ、2013年末まで薬価を09年8月時点の水準に据え置くとする同案が実施されれば、製薬会社の業績悪化は避けられないと指摘した。「特に外国企業はドイツでのR&D投資を縮小する恐れがある」としている。

\