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2010/5/12

ゲシェフトフューラーの豆知識

トイレ時間の長さ理由に減給はダメ

この記事の要約

トイレの使い方は人それぞれ。スルリと排泄したうえでサッサと尻を拭き出てくる人がいるかと思えば、便座に文字通り腰を据えてしまう人もいる。各人の生活習慣と言ってしまえばそれまでだが、勤務時間中となるとトラブルの原因になること […]

トイレの使い方は人それぞれ。スルリと排泄したうえでサッサと尻を拭き出てくる人がいるかと思えば、便座に文字通り腰を据えてしまう人もいる。各人の生活習慣と言ってしまえばそれまでだが、勤務時間中となるとトラブルの原因になることもあるようだ。ドイツでは最近、便所での長居を理由に減給処分を受けた社員がその取り消しを求めて裁判を起こしていた事実が分かり、チョッとした話題となっている。

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提訴したのはケルンの法律事務所で2008年秋から働いていた弁護士。同弁護士のトイレ利用時間が異様に長かったため、雇用主が09年5月8日~26日までの18日間、利用時間を文書にもれなく記録したところ、計384分(約6.4時間)に達していた。

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雇用主はこれを受け、原告のトイレ休憩時間が採用時から継続的に長かったと断定したうえで、給与を682.40ユーロ差し引いた。

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一方、同弁護士は、雇用主がトイレの時間を計算した期間はたまたま便秘で排便に苦労していたと主張。ケルン労働裁判所は今年1月、この主張を全面的に支持する判決(訴訟番号:6 Ca 3846/09)を下した。

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判決理由で裁判官は、特定期間のトイレ利用時間をもとにそれ以前のトイレ利用時間を推測で算出することはできないとの判断を示した。また、便秘はごく普通の健康障害であり、それにともなう給与上のリスクは雇用主が負うものだとも言い渡した。

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同弁護士は係争先の法律事務所をすでに辞めている。

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