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2010/5/26

経済産業情報

国内輸送市場で鉄道のシェア低下

この記事の要約

ドイツ鉄道(DB)は19日、国内旅客・貨物輸送市場の動向をまとめた「市場競争レポート」を発表した。それによると、トラック、内陸水運、パイプライン、鉄道を合わせた2009年の陸上貨物輸送量(トンキロメートルベース)は前年比 […]

ドイツ鉄道(DB)は19日、国内旅客・貨物輸送市場の動向をまとめた「市場競争レポート」を発表した。それによると、トラック、内陸水運、パイプライン、鉄道を合わせた2009年の陸上貨物輸送量(トンキロメートルベース)は前年比で約12%落ち込んだ。輸送手段別では鉄道の下落幅が最も大きく(17.1%減)、内陸水運(16.2%減)、トラック(10.2%減)よりも景気悪化の打撃を強く受けている。陸送市場全体に占める鉄道のシェアは1ポイント減の16.3%、内陸水運も0.5ポイント減の9.1%に後退した一方、トラックは1.2ポイント増の71.9%に拡大した。

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旅客部門の輸送量(人キロメートルベース)は0.2%減で、ほぼ前年並みの水準を維持した。輸送手段別シェアはマイカー(バイク、原付含む)が79.1%(1ポイント増)、鉄道が9.9%(1ポイント減)、公共交通が9.7%(1ポイント減)、飛行機が1.3%(変動なし)となっている。

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鉄道輸送に関しては、貨物・旅客ともにDBの競合が勢力を伸ばした。DBのシェアは貨物で3.4ポイント減の75.4%、旅客で0.7ポイント減の87.9%にそれぞれ後退している。

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旅客輸送の分野では特に地域交通(ローカル線)で競合が躍進した。地域交通では州や市町村の入札で輸送事業者が決まるため、小回りがききコスト的に有利な地元の交通会社が受注を獲得することが少なくない。運行距離ベースでみたDB競合のシェアは2割に達している。一方、長距離線(特急・急行)では景気悪化による旅客需要の減少を受け、仏国鉄SNCFなどがドイツ市場への参入計画を撤回した。

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