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2010/6/2

経済産業情報

間抜けな取り立て屋

この記事の要約

取り立て屋というのは因果な商売である。支払いが悪い、あるいは支払い能力のない人に金を払わせるというのは極めて難しいからだ。恐喝や暴行はもちろん犯罪で許されないのだが、そうした行為に走りやすい状況下で働いているというのもま […]

取り立て屋というのは因果な商売である。支払いが悪い、あるいは支払い能力のない人に金を払わせるというのは極めて難しいからだ。恐喝や暴行はもちろん犯罪で許されないのだが、そうした行為に走りやすい状況下で働いているというのもまた本当だろう。

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ドイツではこうしたことを行う会社をインカッソビュロー(Inkassobuero)と呼ぶ。念のために言っておくと、インカッソビュローを開くには裁判所が発行する免許が必要であり、決して闇の商売ではない。ただ、なかには暴力団まがいの会社のあるのも事実である。

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そうした悪質業者3人が最近、法に触れる強引な取り立てを行おうとしてヘマをし、逮捕された。

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シュツットガルト警察署が5月26日発表したところによると、3人はインカッソビュローで働く25歳、36歳、54歳の社員で、借金を抱えたバス会社の社長を脅迫するため誘拐を計画。20日夕方、この社長の親族と思われる女性(62歳)を自宅近くで待ち伏せて車で連れ去った。

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翌朝になって3人が犯行の理由を女性に伝えたところ、女性はバス会社社長の親族でなく、同社の社員だと回答した。犯人は誘拐すべき対象を誤ったのである。

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女性は夕方になって釈放された。その際、犯人は女性から現金を奪い取ったうえ、何を考えたのは銀行カードの暗証番号を言うように強要した。

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女性は釈放後、当然ながら警察に通報した。3人はその日のうちに警察に逮捕されている。

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