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2010/6/16

総合 - ドイツ経済ニュース

EUレベルの空売り規制案、独仏首脳が欧州委に督促

この記事の要約

ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は欧州連合(EU)欧州委員会のバローゾ委員長に8日付で連名の書簡を送り、EUレベルの金融市場規制案を早急に作成するよう促した。ギリシャなど財政悪化国の国債などを対象とした投機 […]

ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は欧州連合(EU)欧州委員会のバローゾ委員長に8日付で連名の書簡を送り、EUレベルの金融市場規制案を早急に作成するよう促した。ギリシャなど財政悪化国の国債などを対象とした投機筋の空売りがユーロの信認低下と市場の混乱を招いているため。両首脳は3月にルクセンブルク、ギリシャ首相との共同書簡で金融市場規制案を速やかに作成するよう要請したにもかかわらず、欧州委の作業が遅れていることに不満を持っており、今回の書簡で督促した格好だ。

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ドイツは国内で取引されるユーロ圏16カ国の国債と、国債を対象とするクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、および国内金融機関10社の株式を対象に空売りを対象にネイキッド・ショート・セリング(取引の裏付けとなる現物を借り受けずに行う空売り)を禁止した。このときは他のEU加盟国に事前通告せずに規制に踏み切ったため、フランスなどから批判を受けていた。ただ、空売り規制方針で両国は基本的な立場を共有しており、これが今回の共同書簡につながったもようだ。7月のEU経済・財務相会議までに欧州委案を打ち出すよう要求している。

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これに対し欧州委の広報担当者は、加盟各国が同意できるような案の作成には時間を要すると指摘。規制案を今夏中に発表するとしたものの、7月の経済・財務相会議に間に合わせるかどうかは明言を避けた。

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