国を代表する外交官。エリート中のエリートである彼らは使命感に燃えた品行方正な紳士というのが一般的なイメージだろう。だが、こと自動車の運転に関してはマナーがあまり良くないようである。
\各国の大使館がひしめくベルリンの州内務当局が10日明らかにしたところによると、管内における外交官ナンバー車の交通法規違反件数は昨年8,610件に達した。同州に登録されている外交官車は3,048台というから、切符を切られた回数は1台平均でおよそ3回に達する計算だ。交通法規を遵守する外交官も多いのだろうが、この数値はちょっと困ったものである。
\だが、これくらいで驚いてはいけない。外交官車が関係する交通事故39件のうち、そのまま現場から逃げ去ったのは25件に達するのだ。その割合は実に64%である。
\外交官が交通法規をあまり守らないのは外交官特権の厚い壁に守られているためだ。交通当局は違反した外交官に対し総額18万10ユーロの罰金支払いを命じたが、はたして支払った者はいるのだろうか。
\驚きはまだ続く。外交官車の交通違反件数は少し前まではもっと多く、2007年には09年の1.4倍の1万2,025件に達していたのである。事態を重く見た独外務省が各国大使館に文書で注意を促し、08年に8,398件へと減った次第だ。
\違反が最も多い国はサウジアラビアで、以下、ロシア、中国、エジプト、フランスが続いた。外交関係をおもんぱかってか、各国の違反件数は公表されなかった。ちなみにドミニカ共和国は外交官ナンバー車が1台もないため、違反率0%を実現している。
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